うさぼうの人生ダッシュボード化計画

仕事や家族との生活、読書や体験から考えたことを書き綴り、人生をゲームのように楽しむヒントを発信中

【総集編2】CIOにゲーミフィケーションを

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【総集編】CIOにゲーミフィケーションを - usabo's diary

実現に向けて

戦略、計画、実行、管理のサイクル崩壊を解決するためにゲーミフィケーションを使おうよ!と書きました。

 

ここには非常に具体的でわかりやすい12のポイントがありますのでこれに沿った実現のためのアイデアを並べます。総集編ならではの長文です!

1) 共感できるストーリー

まずは、共感できるストーリーがあることです。前記事の「【理想像】IT部門が満足度100%で働ける環境」がこれに当たりますが、次のような話もいかがでしょうか。

 

A社のCIOは背筋がゾクゾクするような達成を祝いました。A社の全システムが最新技術による柔軟性のあるアーキテクチャで構成され、グローバルで競争力のあるサービスを提供できるようになったのです。この達成のために日本及び海外の各拠点で最大最強のプロジェクトチームが組織され現実及びバーチャルでプロジェクトに従事しました。プロジェクトメンバーはこれまでに達成したことのないとてつもないことを成し遂げようと考えていました。CIOからの戦略をメンバー一人一人が理解し、二十四時間休みなしのシフトを組み、共同戦線を張って臨みました。A社がこのゴールに到達したとき、各拠点でお互いに祝福すると共に、オンライン上でも自身の貢献を主張するコメントであふれ返っていました。そしてこれほどの達成を果たしたばかりなのに、それぞれ次のもっと壮大なゴールに向かう準備ができています。

 

CIOからIT部門長に、部長に、メンバーに、協力会社のメンバー一人一人にまで伝わる心震えるストーリーを届けることは、戦略を着実に実行につなげます。

2) レベルを設定して向上心を刺激する

次のポイントは、レベルを設定して向上心を刺激することです。

CIOが適用するレベルといえば主にスキル評価と各種の成熟度評価と思います。基準が明確でレベルに応じた任務や働き方が用意されているレベルデザインは大いにメンバーのモチベートにつながります。

 

私のようにドラゴンクエストで レベルアップの快感を知った方は多いのではないでしょうか。経験の量が数字で表され、自身の成長や未熟さを実感し、さらに上のレベルに到達するのに必要な 経験値がわかることはモチベーションにつながります。効果音の後押しもありますが、大きな理由は現状が可視化され、頑張って得た実力に浸ることができると 共に、次のレベルに向けての目標が明確になるためです。

 

ディズニーツムツム
ゲーム事例になりますが、LINEディズニー ツムツムというパズルゲームではプレイヤーレベルというのがあります。プレイ経験値が溜まればレベルアップし、報酬としてスコアボーナスとハート回復があるもののパズルへの取り組み方は変わりません。そのためこのレベルを上げることには私はあまりモチベートされません。

 

Ingress(イングレス)
一方でIngress(イングレス)というAR・陣取りゲームではレベルが上がるにつれてゲームの見え方、戦い方が変わります。最初はオフィシャル のトレーニングメニューをこなしますがこの時点では正直ピンとこないものが結構あります。それが徐々にAPという経験値を効率よく貯める方法がわかるよう になり、次第に相手を攻撃できるようになり陣取りゲームらしくなるのです。

 

3) バッジ効果でプライドをくすぐる

バッジ効果でプライドをくすぐることも有効です。

CIOがIT関連で適用するバッジで多いのは役職、役割でしょう。チームリーダー、プロジェクトマネージャー、データベーススペシャリスト、アプリケーションアーキテクトなどそれぞれプロ意識を持って臨むことができるのではないでしょうか。それに加えてプロジェクトの功績を称えてMVPなど贈ることもあるでしょう。もっといろいろなバッジを贈っていいと思います。自身の貢献をいろいろな形で認めてもらうことは明日への活力になります。

 

スターバックスのエプロンもそうです。通常は緑色ですが、たまに黒色のエプロンをつけた方に気づいていますか?ブラックエプロンは店舗で「コーヒーマスター」として認定をうける必要があり、さらにその「コーヒーマスター」を対象とした年に1度行われる社内試験を受けて合格するとつけられるそうです。

 

ドラクエXにはたくさんの称号があります。私が初めてとったのがツメの使い手だったか始まりの旅人だったか草原のそうじ屋かもはや思い出せませんが、500を超えるこの称号がことあるごとに達成感を味あわせてくれます。そういえばfoursquareもやたらといろいろバッジがありました。あまり意識しなかったもののそれでもチェックインする動機にはつながったものです。

 

議員や弁護士のような士業のバッジに限らず世の中にはバッジにあふれています。軍服の星もそうですし、柔道の黒帯もそうです。他人にわかりやすく自分の実力・能力・実績をアピールすることができ、「認められたい」という感情を働かせることができます。

4) コレクション効果であとひと頑張りする

ポイントは全体を見せることと全体の数量のバランスです。少なすぎればもう得るものがないとなり離れてしまいますし、多すぎると諦めて最初から離れてしまいます。IT部門では何個中何個終わったか、というのはよくあるやりとりです。全体数がどんどん変わってしまうとやる気が持ちませんし、慢性的に多すぎてもやる気にならないのでしょう。ゲーミフィケーションにおいてはゲームバランスの調整も重要です。適切な設定で皆のあとひと踏ん張りを引き出せるといいですね。

5) ソーシャル共有による楽しさ

CIOがIT部門向けにゲーミフィケーションを適用する場合、顔の見える範囲になるため、評価報酬とどう絡めるかは難しいところがあるかもしれません。とはいえ、協力と競争によりゲームの楽しさが倍増するのは事実です。

 

私はドラゴンクエストXで ボスが倒せず途方に暮れていた時に、町の入口に立っていた強そうなお兄さんに助けを求めました。初めてゲームで見知らぬ人に助けを求めました。挨拶、目的 達成、別れという最低限のコミュニケーションでしたが、最初はなぜその人が自分よりも弱い相手の支援をしているのだろうと不思議でした。経験値が多めに配 分されることを知りましたが、それでも疑問は残りました。

 

その後、経験値を集めてレベルアップするという共通の目的に向かって1時間、2時間と複数名で戦闘を経験しました。俗にいう狩りというものです。延々とトンブレロやタコメットを倒し続ける中でオンラインゲームの交流の仕方に少しずつ慣れることができました。そして何人かとフレンド登録をしました。

 

その中で本格的な人に出会い、ストイックな姿に尊敬の念を抱きました。夜中の1時を過ぎても2時を過ぎてもやめようとしないその姿。4人だったキャ ラが1人減り、また1人減る中でもう寝るのかと思いきや、xxのクエストやりに行きませんか、とのお誘い。そしてそのクエストで遭遇した敵が強かった時に 即座に別の人を呼べるというネットワーク。

 

クエストを終了した時は3時を超えていたので私も抜ける旨伝えたところ、その方はもう少しレベルを上げるのだと別の場所へ旅立ちました。

 

パズ億とツムツム。どちらも私が取り組んでいたスマホゲームですが、現在はパズ億はフェードアウトし、ツムツムのみをやっています。パズ億もバージョンアップでステージが増えているのでまだやる面は残っているのに。

 

ツムツムは最初は60秒でとにかくツムを消すそのせかせかした雰囲気が好きではありませんでした。50万点を超えたあたりからビンゴ、イベントなど 目標要素が増えてきて楽しくなってきました。今は100万を超えたところなのですが、周りを見た時に300万が一つの節目なのかなと思っています。

 

ツムツムはLINEに基づいたリアルなネットワークでのランキングとハートのやりとりを通じたソーシャル性がとにかくすごいです。私の周りはプレイヤーが数人しかいないのが残念ですが主婦の間などでは10人を超え、大量のハートのやりとりがなされているようです。

 

ログイン時にランキングが表示され、身近なライバルに追い越されことや、うらやましいマイツムを入手したことが一目でわかってしまいます。こうして直近の目標が脳にセットされます。

 

6) 自発的に参加していることを意識させる

仕事や取組みに自発的に参加してもらうにはどうすればいいのでしょうか?

自分の意志で参加そして脱退できる自由を持たせることが大事です。

招待>要請>強制とのことですが、日本では要請のほうがいいと思います。

 

ジェイン・マクゴニガルは、ゲームをゴールとルールとフィードバックシステムがあって、自発的に参加するものと定義しています。

 

やらされるよりも自発的に取り組んでいるほうが質も高くなりスピードも速くなります。自発的に取り組むためには明確な目的やゴール、自らの好奇心や関心による内発的動機が必要です。

 

そこに至るのには、強制ではなく要請、要請より招待がよいと言われます。自分の意志で参加または脱退できる自由が、ストレスが多くて難しい課題でも安全で楽しめる活動としてとらえることができるようです。

 

ですが企業の活動、特に日本では、招待よりも任命がいいと思います。CIOやトップマネジメントからの期待を受けて取り組んでいるうちに自身の好奇心や関心に結びつき、面白くなり自信につながっていきます。

7) 自分好みにカスタマイズできること

ドラクエが画期的だったのは主人公に名前をつけられる点でした。

武器や防具も自分で選ぶことができました。そしてドラクエⅢでは仲間の職業が選べるようになりまさに自分の冒険を進めている気がしたものです*1。

 

ゴールは決まっていてもやり方や進め方に選択の余地がたくさん残されていると自己表現や愛着につながります。mixiサンシャイン牧場やはじめようマイバー、FacebookのCity Villeも自身の牧場やバー、町を作り育てていくゲームです。

 

プロジェクトやタスクもゴールはトップマネジメントが決めていても進め方は現場リーダーやメンバーに任せたいものです。遅れられない、コスト超過できないなどの制約は気になるところですが現場が自分好みにできることが自己発動につながります。

 8) 簡単なクエストで習慣づける

自分から始めたことでも毎日の習慣にするのは大変なのに、人から言われたことを習慣にするのはとても難しいです。

ゲーミフィケーションでは簡単なクエスト(課題・ミッション)に取り組ませることでゲームを習慣づけます。

 

サンシャイン牧場では定期的な水やりが必要です。作物を腐らせないよう目をかける習慣が身に着くように5分から徐々に間隔の長い作物を扱っていきます。せっかく植えた作物が枯れてしまうとがっかりするのでログイン頻度が上がり次第にゲームに慣れてログインへのハードルが下がっていきます。

 

課題を小分けして簡単にし、即時フィードバックすることを繰り返すことがゲームへの慣れや親近感を向上させます。IT部門で新しい戦略を浸透させたい時や取り組みを定着させたい時にも簡単な課題を定期的に取り組める仕組みを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

連合艦隊司令長官の人の動かし方はこうです。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

山本五十六

ゲーミフィケーションはこうです。

させてみせ、必ずすぐにほめてくれるから、ついやってしまう

ゲーミフィケーション研究家usabo

 9) 能力向上につながる学習クエストを盛り込む

現実の能力向上につながるゲームはやる気につながります。

 

特打(ガンマン)、激打(北斗の拳)、タイピングオブデッド(ゾンビのやつ)をやったことで相当タイピングが上達したことを覚えています。習字もそろばんもやっていなかった私にとって話す速度でタイピングできることは大きな自信につながりました。

 

少し前ですが脳トレや英語漬け、Wii Fitなども同様の理由で私も含めたビジネスマンを中心とした大人に流行りました。

 

IT人材に必要な能力、例えばベンダの見積もりや提案を精査する能力や設計書などのレビュー能力を鍛えることができるゲームは効果的だと思いますがいかがでしょうか。

 

10) 逆転の可能性を残す

勝敗が決まってしまうと最後まで続ける気がしなくなるものです。

夢中にさせる仕掛けであるゲーミフィケーションにとって消化試合は敵です。

 

ゲームには逆転の可能性を残す様々な工夫があります。

ボウリングの最終フレームでは3回投げることができますし、すごろくではゴール直前にふりだしに戻るマスがあったりします。マリオカートのアイテムでキラーやスターが自身の順位を上げ、トゲゾーコウラ(青い羽根つきの爆弾)やイカすみで上位プレイヤーの順位を落とします。桃太郎電鉄キングボンビーを始めとする五大ボンビーも逆転につながります。

 

IT部門の仕事は営業成績の競争のような仕事と毛色は違いますが、予算や期限を早々に達成できなくなった場合にコンティンジェンシーを使って計画を見直すことが大事だなと思います。原因を皆で分析し合って実現可能かつ挑戦的な計画目標を再設定しましょう。

11) 予期しないサプライズ報酬を用意する 

プライズは異性に喜んでもらうこと以外にも使えます。

 

ドラクエで苦労して倒したボスキャラが予期せず味方になってくれるとテンションが上がります。foursquareで狙ってなくてもバッジがもらえた時に結構嬉しかったことを覚えています。

 

IT部門で日々頑張っている人にサプライズ報酬を用意して下さい。最初に決めて狙ってもらう賞ではなくあくまでもサプライズなのです。サービスイン後の祝勝会でなくてもいいので頑張りへの感謝や感心、更なる期待を伝えてみてはいかがでしょうか。

12) ビジュアルデザインに気を配る

人は見た目が9割とのことですが仕事も同様です。

 

リアルな臨場感や盛り上げる音楽があるとより楽しむことができます。

ドラクエモンスターズはひたすらダンジョンを移動して戦うだけのゲームですがキャラクターがよくできていて戦闘シーンを盛り上げる音楽、勝利した後の効果音があってこそ楽しめます。キャラクターの絵がなく敵と自身で交互に攻撃し合い数字の引き算だけだったら同様に楽しめるでしょうか。テトリスだって着地した時やテトリスを決めた時の効果音や点滅がなかったら、もしくはどんなに点数をとってもロケットが飛ばなかったら。

 

IT部門では格好いいパワーポイント資料や雑誌の特集のような写真つきの社内報の記事など徹底的にデザインにこだわってはいかがでしょうか。システムやプロジェクトのロゴやデザインに気を配るのもいいと思います。徹底的にこだわっていきましょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか。ゲーミフィケーションを使うと戦略、計画、実行、管理のサイクルをまわすことができます。しかも楽しみながら!ITで企業にイノベーションを起こすミッションとビジョンとケイパビリティを兼ね備えるCIOにこそこの武器を活用してほしいと強く願っています。

 

100日チャレンジ90日目でした。

90日目にして語り尽くした感のある

ゲーミフィケーション研究家usaboより

photo by nyoin