仕事が予定通りに終わらない課題をソリューション・システムにて解いてみます。
答えは、タスクシュート式時間術になります。
ソリューション・システムは問題解決プロフェッショナル「思考と技術」による実践的なプロセスです。
前提
ここでの仕事とは、単発のプロジェクトワークや日々の業務だけでなく仕事にまつわる中長期のキャリアプランを立てるとか部内の運営業務だとか全体を指します。プライベートのタスクも含めたほうがいいかもしれません。
それでは"私の"仕事が予定通りに終わらない課題を見ていきます。
1.課題を設定する
主要課題の設定 何かと比較する
顧客:仕事が予定通りに終わらないことで迷惑をかけているか?
これは実は多くありません。そもそもお金を頂いて仕事しているわけですし一人でやっているわけでもないので迷惑をかけないようにはなっています。ただしそれは誰か他の人にフォローしてもらっているか、自身の他のやりたいことを犠牲にしているかです。
競合:自身が仕事をする上での競合は同僚や上司部下になるでしょう。
彼らも予定通り終わってないでしょうか。顧客のところで書いたようなお客様に対して提供する仕事で終わってないことはほとんどないはずです。ただし彼らが仕事以外をどれだけ犠牲にしているかはなかなかわからないですね。
自身:過去の自分と比べてどうでしょうか?
昔はもっと簡単な仕事だった、こんなにたくさんの仕事を抱えることはなかったなど状況も変わっているかもしれません。
個別課題の設定 背後のメカニズムを考察する
仕事が予定通りに終わらないの原因は2種類です。
予定がおかしいか、予定を邪魔する何かがあるかです。
なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術では、
予定がおかしい → 詰め込み過ぎの状況と思い込み
予定を邪魔する何か → 割り込み仕事、先送り、完璧主義
としています。
2.解決策の仮説を設定する
個別解決策はコントロール可能なものになっているか
- 仕事を詰め込み過ぎないようにする
- 思い込みと実際のギャップを把握し予定に反映する
- 割り込み仕事を減らす、想定しておく
- 先送りしないような工夫をこらす
- 完璧主義をやめる
総合解決策は全体の資源配分を考えているか
著書によるとこれがタスクシュート式時間術であり、ツールとしてExcelのTaskchute2やiPhoneのTaskumaが提供されています。ただしこれらのツールは有償ですので、ツールを導入するか、代替ツールを使用するかの解決策が考えられます。
3. 解決策を検証・評価する
1.個別解決策の検証ーファクトベースでチェックする
ここでは、タスクシュート式時間術を使うとなぜ実現できるのかを考えます。
仕事を詰め込み過ぎないようにする
→1日をセクション分けして見積もり時間内におさまるかどうかが一目でわかります。また、休憩含めたタスクを漏れなく記入するためリストにないタスクをやろうとする、ということは発生しません。主のタスク以外の毎週あるタスクや毎月発生するようなリピートタスクも全て盛り込まれています。その上で見積もり時間内におさまらない場合はその時点で調整をします。
思い込みと実際のギャップを把握し予定に反映する
→見積もりはあくまで見積もりです。そして記憶より記録です。実績時間より優れた見積もりはありません。記録を参照し同等のタスクを見積もりに設定することでギャップが限りなく小さくなります。
割り込み仕事を減らす、想定しておく
→どういう割り込みが多いかは人によります。ただし、予定を立てる時にセクションごとにどういう割り込みが想定されるかは把握しておく必要があります。ここでも割り込みの記録が役に立ちます。
割り込みには、他人からの割り込みと自分の割り込みがあります。他人からの割り込みを断ったり減らす手立てはここでは省略します。意外と自分の割り込みが多く、脱線系(現実逃避)、仕事を増やす系(完璧主義)、先送り系(未来の自分に任せる)と3種類が紹介されています。
先送りしないような工夫をこらす
→本当に仕事が難しかったりお客様に依存するものだったりと先送りが避けられないこともあります。それはタスクシュート式の範疇を超えているので、時間術としての先送りを防ぐ工夫について書きます。2点あって、難しい仕事をこなすのに適したセクションを把握しておき、タスクを割り当てること。一般的には朝だと言われていますがここは人によると思います。もう1点は、小分けにしてチェックリスト化して進めやすくすることです。仮に途中から先送りになったとしてもどこまで終わったかが明確です。また、チェックリストの効用として徐々にその流れに慣れてきます。
完璧主義をやめる
→時間が有限であることを直視することです。今日中にやれることのリストが見えて見積もり時間を合計し終了時刻が常に見えるようになっていると、まだ時間があると思って品質にこだわるかそろそろ完成させないとまずいのかがわかります。
2. 総合解決策の評価ーハードとソフトの両面から判断する
ハード
期待成果:個別解決策に書いた通りです。予定の精度が上がり、予定通りに終わらせるための仕組みが整います。
投入資源:
Excel版 Taskchute2は価格:6,480円(税込)※お試し無料版あり
iPhone版 Taskumaは価格:3,000円(税込)
リスク:せっかくこの方式を始めようと思ったのにExcelが使えなくなる、iPhone版アプリの提供が中止になった、、というリスクくらいでしょうか。何の保証にもなりませんが、iPhone版は発売されたばかりですし、Excel版も進化はあれど中止は当面はないはずです。
展開スピード:ツールに慣れるまでの時間が気になるかもしれませんがこの方式をやるには実績時間をとることが必要です。慣れるまでは実績の記録に専念しながら徐々に予定を立てるようにすればスムーズに導入できると思います。
ソフト
記録したりツールを導入したりの手間が気になったり、堅苦しそうという印象があるかもしれません。ただ課題を解決したいのであれば思い切って一歩踏み出して損はないと思います。
終わりに
ソリューション・システムで解きながらも、タスクシュート式時間術の宣伝のようになってしまい、がっかりされた方もいらっしゃるかもしれません。本当は解決策の比較のところで他のやり方を出して評価できればよかったのですが、自身がこのTaskchuteで1年以上やっているため比較対象がすぐ出せなかったのです。
ツールはさておき、タスクシュート式時間術が仕事を予定通りに終わらない課題に対して有効であることは示せたのではと思います。長くなって恐縮ですが、お読み頂きありがとうございました。
ゲーミフィケーション研究家usaboより
なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術
- 作者: 佐々木正悟,大橋悦夫
- 出版社/メーカー: 技術評論社
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