うさぼうの人生ダッシュボード化計画

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書評:アウトライン・プロセッシング入門:アウトライナーで文章を書き、考える技術

うさぼう(@usabo_tweet)です。

 

7つの質問に答えるだけで書評ができあがる、らしたさんメソッド*1。今日は「アウトライン・プロセッシング入門: アウトライナーで文章を書き、考える技術」。なぜこの本を手に取って、読んでみてどう変わったか。

 

ひとつひとつお伝えしていきます。

質問1:購入の経緯は?

Amazonの購入履歴によると2015/6/11です。4か月前です。

Twitterのつぶやきによると、イチ(@kumacharo115)さんのつぶやきをきっかけに購入したようです。

アウトライナー苦手だったんですけど、この本を読んでコツをつかんだらもう手放せなくなりました。」

翌日には自身でこんなことをつぶやいています。

アウトライナー本読み始めた。Wordのアウトラインとフリーマインドとworkflowyの使い分けも定かではない私ですが、思考ツールとして使えるようになるといいな。書きながら考えが整理できて、そのうちに書き上がるような幻想を抱いている。できるようになったら本読むより面白そうだよね

期待してたのは「書きながら考えが整理できて、そのうちに書き上がる」ことでした。

 

私の場合は、読み終わった時点で霧が晴れたようにスッキリはしませんでした。逆に、少しずつ使ってきて、徐々に身体に馴染んできています。

 

例えばすっと入ってこない記事を読む時に使ってみたり、なんかもやもやする時にフリーライティングに使ってみたり、読書会に参加してアウトライナーを共有してもらったり。

 

様々な使い方を繰り返すにつれて、整理される前の文章の断片と、整理された後の姿のパターンが増えました。どういう時にアウトライナーを使えばいいのかが、少しずつ見えてきました。そして新しいパターンで使うそばには、いつもこのオレンジの本がありました。

質問2:本の対象読者は?

まだ触れてない人にはシンプルで奥深いアウトライナーの世界の一端に触れてもらうこと。

すでに使っている人には一段とディープなアウトライナーの魅力を知ってもらうこと。それが本書の目標です。

 アウトライナーはシンプルです。どういうものかは簡単な解説でわかりますし、一通りの機能を試すだけなら数分でできます。なのにこうした入門書が重宝されるのは、見た目だけではわからない奥深さがあるからです。

この奥深さは初めて出会った人も、既に使っている人にも実感できるものです。

質問3:著者の考えはどのようなものか?

深遠なアウトライナーの世界を紹介するために、本書では具体的な使い方が紹介されています*2。そして具体的な使い方とともに、こういう使い方をした場合にどう変わるのか、特に使う前に抱きがちな誤解を解くための説明が続きます。

 

具体的な使い方とはどのようなものか。

 

文章を書くこと。

それも何段階かに分かれます。

  • メモの断片を組み立てること
  • 視点を変えてサマライズすること
  • 白紙の状態から自由に書き始めること

文章を書くことだけではありません。

 

文章を読むこと(構造化して理解を助けること)

伝えること(会議やプレゼンテーション)

日々考えること(タスク管理やメモに)

 

こうして見てみると、何かを考える時の文章のかたまりや断片を扱う全てのケースでアウトライナーが活用できることがわかります。代表的なクラウドアウトライナーであるWorkflowyの「Organize your brain」の意味するところがよくわかります。

質問4:その考えにどのような印象を持ったか?

うまく伝わるかわからないのですが、いつか馴染んできてどこかで接点があるだろう。そんな印象を持ちました。

 

出会ったタイミングも無関係ではないと思います。当時はタスク管理システムをちょうど整備し終えた頃で、新しいものを試すよりは整備した仕組みをまわすことに注力したかったのもあります。

 

あとはデータが溜まってきてからが本番。そんな気もしていました。

質問5:印象に残ったフレーズやセンテンスは?

自由なアウトライン・プロセッシングの過程では、見出しと本文をはっきり区分けすることはできない

著者は、2ペインよりも1ペインを薦めています。それは見出しが見出しだとはっきり区分けすることができないからです。

 

既存のアウトラインに収まらないものは、いったん「未使用」の下に入れておきます。面倒であれば、遠慮せずその場に書いてしまって後から「未使用」に動かします

考える過程で、Parking Lotを用意しておくのは有用です。一時的な置き場としての未使用トピックは画期的です。

 

「シェイク」は全体の流れを考えることとフレーズを考えることを意図的に分離して、頭の負荷を減らしているとも言えるのです。

随所に見られる、手続きを分けることで頭の負荷を減らすコツが参考になります。

 

アウトライナーで扱う「生きたアウトライン」は、見た目はツリーでも通常のツリーよりずっと複雑な内容を扱うことができます。なぜならそれは「流動的なツリー」だからです。それは常に変化する可能性をはらんだ「プロセス」であり、完成品ではありません

完成品ではないものを扱うからこそ、複数の文章もまとめて脳全体を扱うことができるようになります。

質問6:類書との違いはどこか?

アウトライナーについて書いた本を他に読んだことがありません。積読畑に「書くためのパソコン」という本があります。たしかアウトラインプロセッシングに関する章があったのでぜひ読んで違いを見てみたいところです。

質問7:関連する情報は何かあるか? 

私がアウトライナーよりもすんなり馴染んだツールがあります。マンダラートです。個人差があるようで、身近なブログを見る限りは、マンダラートよりもアウトライナーのほうがアイデアを書き出してまとめるのには多勢な気がします。

 

終わりに

この本の書評を書いてもいいかなと思えるタイミングがようやくきました。それは先日悩み事を吐き出すのにふとWorkflowyを使おうと思い立ったからです。タスクではない感情を一通り書き出して並べ替えたり分類したりしました。そうこうしているうちに、頭の中が整理されてきて、落ち着いてきました。

 

8月にプロアカウントに変えてから、行数を気にする必要がなくなり、使う機会も増えてきました。使う機会が増えるとトピックの並べ替えや階層化に慣れてきます。この慣れが、アウトライナーの中を歩くのに役立っています。新しい使い方を試みる時には、オレンジ色のガイドブックを引っ張り出していました。気になった方はぜひお手元に。

 

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*1:そんな名前はありません

*2:時に著者のアウトライナーがサンプルとして紹介されておりこれがまた参考になります