ゲーミフィケーションと出会うはるか昔、usaboはアフォーダンスに魅了されていました。
アフォーダンスとは
「与える、提供する」という意味の英語、アフォード(afford)から、米心理学者のジェームス・ギブソンが1950年代後半に作った造語物体の持つ属性(形、色、材質、etc.)が、物体自身をどう取り扱ったら良いかについてのメッセージをユーザに対して発している、とする考え。
例えば、今目の前に置いてある椅子は、特に「座れ」と字が書いていないのにもかかわらず,この椅子は座れるものだと分かる。これはこの椅子自身が「座る」ことをアフォードしている、といったものです。
この情報や考え方をうまく使えば、人の成長や上達を飛躍させることができるのでは、と当時二十歳になったばかりの私は鼻息を荒くしたものです。
しかしながら早く社会に出て自分を試してみたい、社会に出なければなんだか人間として偏ってしまうのでは、という欲求と焦燥からアフォーダンス研究家の道を歩まずに、大量採用時代のコンサル業界に足を踏み入れたのでした。
最近のアフォーダンス事情
研究こそしないもののたまにアフォーダンスで検索したことは一度や二度ではありません。アフォーダンス論が盛り上がっていないか、実用化につながっているか、を覗き見する限り、あまり盛り上がっているようには見えません。
概念としては興味深かったのですが、実践に結びついていない状況のようです。人工知能も冬の時代はこうだったのかもしれません。
バズワードと過剰な単純化
アフォーダンスに比べるとゲーミフィケーションは幾分実用的ですが、バズワード認定され過剰に単純化され、、という道を歩んでいることは否めません。第一人者であるゆめみの深田さんも自分からは使わないようにしているとのことですし。
アフォーダンスはバズったわけではありませんが、建築やデザインで期待されていたほどには成果が出なかったのかなと思います。
アフォーダンスとタスク管理
タスク管理は以下のステップで行います。
- 頭の中にある気になることを書き出して外部化する
- 外部化したタスクを優先付けして実行する
- 定期的なルーチンタスクはレシピ化して時間短縮する
ここでいきなりタスク管理が出てくるのは唐突に感じるかもしれません。関連するのはステップ3のレシピ化して反復実行することで習熟していく点です。プロのスポーツ選手や音楽家とまではいかなくとも、体が手順を覚えていて無意識に実行できるのはまさにアフォーダンスを利用していると言えます。
アフォーダンスがひも解かれ、熟練もしくは超人的な頭脳や身体能力を持つ人がどのように習得しているかがわかれば人類の成長が進み社会に幸福をもたらすのでは、そんなことを思っていた昔をふと思い出しました。
ゲーミフィケーション研究家usaboより