うさぼう(@usabo_tweet)です。梅棹忠夫さんの「知的生産の技術」を読みました。最近*1Kindle版が出ましたがそれがきっかけではありません。超メモ術*2 読んでEvernoteの使い方を整理*3していたら、なんとなく読む時期に思えてきました。
読んでみてその直感は間違っていませんでした。著者も書いているとおり、提言であり問題提起なのです。知的生産の技術について自身でかんがえて実行してみることが重要なのだと。
ざっくり何が書いてあるか
読んだことのない方のため、また今日時点の自身の理解を定点記録するためにまとめておきます。
この本では、アイデアやインプットをメモして整理する方法と、整理したものを使ってアウトプットする方法が書いてあります。大事なのはフォーマット(規格)だと理解しました。
活用するためにインプットの規格を定める
メモを活用するには"くる"ことが重要であり、保管した資料は必要な時にすぐ取り出せるよう整理されていることが重要。こうした操作が可能なように京大型カードやスクラップ台紙、封筒、こざね(B8サイズ)といった規格を定めることを紹介しています。
なるほど、これらはEvernoteというキーワードで解決されそうだとまずは思いました。Evernoteにはノートという規格があり、ここにタイトル、作成日時が付与されます。これらをノートブックに格納し、必要なタグ付けをすれば何ら問題ありません。
ここで問題になってくるのが、アイデアをどうアウトプットにするかです。
Evernoteのノートをアウトプットにどう活用するか
どうやらEvernoteはアウトプットツールではなさそうです。着想から使用済みアイデア、スクラップから書きあがった原稿を整理して保管するのには向いていても、インプットをアウトプットに変換するための作業場所ではないようです。
そこで出てくるのがアウトライナーや各種のアイデア育成ツール*4です。
アウトプットの規格も定まっていないという問題提起
「知的生産の技術」の後半では手紙、日記、原稿というフォーマットを通じてアウトプットに向けた規格を定めることの重要性を説いています。
こちらも現代版で見た時に何か進歩しているでしょうか。電子メールやブログ、SNS、電子書籍などが登場する一方で、規格は相変わらず定まっていない気がします。シェアされやすくなったという意味で流通手段は進んだかもしれませんが、40年経っても変わっていないのであれば少々残念です。
ゲーム、マンガ、お笑いという規格
知的生産のアウトプットと少しずれますが、ちきりん(@InsideCHIKIRIN)さんの以下のつぶやきは興味深いです。
「ゲーム、マンガ、お笑い」の3つは、フォーマットとしてすごくポテンシャルが高い。 活きる分野は「教育、高齢化社会、メンタルヘルス」の3つです。 どの分野もこれから真剣に問題解決が必要になる分野だね。3×3で9分野
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2013, 4月 23
知的生産のアウトプットをシェアすることの目的が、それらを必要とする人が取り入れて活用することだとすると、取り入れやすいことが規格として重要になってきます。この3つは、取り入れるハードルが低くて、心に訴えかけることが特徴です。なので行動につながりやすく、記憶としても定着しやすい。たしかにポテンシャルは高そうです。
ただしこれらは、知的生産のアウトプット結果の表現方法であって、アウトプット自体の規格とは異なりそうです。そして何よりこれらはアウトプット自体としては手間がかかることも難点です*5。
終わりに
いかがでしたでしょうか。答えのない文章でもうしわけありません。
アウトライナーで扱えるのがテキストだけだとすると、Evernoteに保存したアイデアカードを使いきれないため、Scrivenerとかの出番が来るのでしょうか。それともまずはアウトライナーにカードを取り込んで育てることで次につながるのか。そして理想的なアウトプットの規格とは何なのか。
個人的な収穫は、Evernoteに生んだかわいいカードには旅をさせよということです。
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画像はぱくたそさんに頂きました「原稿とサイトの行間の違いを、ディスプレイに定規を当てて比べだす上司 [モデル:大川竜弥 OZPA]」
*1:2015/9/17
*2:
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*3:
*5:手間だけでなく創作、表現すること自体の難易度もあります。そこがクリエイターの腕の見せどころになるのかもしれませんが