入江塾の秘密は私にとって最高のドキュメンタリーです。勉強への情熱を湧き起こらせてくれます。勉強なんて面白くないもの、所詮合格のための手段に過ぎない、要領よく勉強できる方法があったら、という声に喝を入れてくれます。
挑戦
今日は、俯瞰すること、自分の地図を作っていくことの素晴らしさに触れてみます。
体験
地道な学力を身につけるためには、どの教科でも、けっして忘れてはならないのが、科目全体にわたっての統一把握、総合的理解であろう
Q:(東京見物をする人)はじめにどこに行ったらいいですか?
A:まず第一に、東京タワーからおはじめなさい
都内全貌を一望のもとに見渡す。広く四方を眺めて、これから見物しようとする場所は、あそことあそこと、全体の位置の中で理解することから、東京見物は始めねばならない。最初に、相互の位置関係を十分頭に入れておくと、いよいよその場所におもむいたとき、その印象が全体の配置の中で浮き彫りされて、非常に鮮明、かつ主体的になるのである。そのうえに、他の場所とも連鎖的に因縁づけられて、いつまでも明確な記憶が心に残ることにもなる。連鎖的な記憶が、記憶法のうちでは最高と言われているのは、すでに皆さんも、よくご承知であろう。
学業もこれと同じであって、総合力の欠如は入試にとってのガンとなるのだと。そこで教科書の目次に常に目を通すことを勧めています。
この本で目次について触れていたのは読み直すまで気づきませんでしたが、私も事あるごとにこの方法は実践しています。
資格試験を受けるなら受験範囲を目次にして関連する参考書や問題集のどれが該当するかを関連づけます。
何かのトピックについて学ぶならいくつかの書籍を一気に目を通して、一番体系的な書籍の目次を軸にして全体を俯瞰するようにしています。
俯瞰すること、蒐集することでぼんやりと自分なりの地図ができてくると歩くのが楽しくなってきます。
そうすると自分なりに気づいたことや自分自身の経験との関連、新しい疑問などが湧いてきます。それもまた地図に書き加えていきます。
追記を重ねて少しずつ黒くなってきた地図に、ある日力強く線を引ける日がやってくることがあります。この道は通ってはならない!とかいくつかあるけどこの道が最短なぜならば・・・といったように。
道の話はたとえなので、実際には重要なキーワードは何かとかシンプルに図示するとこうなるとか、他の何かに例えるとこうだとか。
この地図と地図作りを通して養った全体感は、試験や個々の学習用途にとどまらず一生役立つ宝物になると思います。
発見
なぜこのドキュメンタリーが心を打つのか。冒頭で喝を入れてくれると書きましたが私自身は勉強を嫌いだと思ったことがあまりありませんし、むしろ手段としての勉強にならないよう努めてきたつもりです。だから私がこの本で得られるのは、そうした自分とは正反対の意見に対して、代わりに喝を入れてくれる爽快感なのでしょう。
エモーショナルな側面はさておき、最初は必要性に迫られて取り組むものでも、最初に全体を見渡して地図を書き始めればそのうち楽しくなる。このスタイルは結構応用がきくと思います。
今取り組んでいるトピックの目次をコピーして日々持ち歩くところから始めてみてはいかがでしょうか。