うさぼう(@usabo_tweet)です。
倉下さんのThe Last Bloggerを読みました。書きおろしの短編集、というのは珍しいですね。私にとっては倉下さんの新作が出たら買う。習慣以上反射未満ぐらいの慣れた行為です。
14の短い小説──のようなもの──が収録されています。どれもちょっと不思議な話たちです。
▼収録作品:
・ジプシー図書館
・ジャンル
・おじいさんとワープロ専用機
・今そこにある機器
・タイム-ライン-スリップ
・The Last Blogger
・好奇心で死んだ猫
・return false
・騒がしい喫茶店
・箱
・ジュークボックス
・つぶやき合い
・パーフェクト・ブロガー
・断片作家の生涯
多くは書きおろしですが、「おじいさんとワープロ専用機」はメルマガにて、「断片作家の生涯」は倉下さんのブログにて公開されています。
▼Tak.さんのようなこんな素敵な読了コメントしてみたいなーと思いつつ。
『The Last Blogger』(倉下忠憲)読了。小説としてとても楽しく読んだけど、それだけじゃなくこれは倉下流メディア論だなと感じた。それが、とてもパーソナルな課題・問題意識と接続されてる。でも小説なんだ。 #ラスブロ
— Tak. (@takwordpiece) 2017年10月2日
感想の断片
ジプシー図書館。魔導士が宮廷につかえる世界のお話しです。師の稼業を継ぐか身を落ち着けて魔導士の研鑽を積むか悩みながらも、決断を下し、進んでいく。超整理法を用いた合理的な選書と、ちょっとした意思入れ。まずはそれを持ち町に繰り出す駆け出しのジプシー魔導士。彼の今後が気になります。
おじいさんとワープロ専用機。大きな古時計という歌があります。人は道具と共に生きています。このお話のおじいさんとワープロ専用機も同じです。新しければいいわけではない。成功や達成は誰かが画一的に測るものではありません。職業的な雪かきだったのかはわかりませんが、おじいさんはきっと幸せだったのだと思います。
断片作家の生涯。アイデアとすら呼べない破片だとしても、法律で生産者に権利が認められていなくても、ありとあらゆるクリエーターが利用し、彼のことを断片作家と呼んだ。僕もこんな断片作家になりたいなと思ったのですが、後半、彼自身が断片だという部分を読み、躊躇しました。僕自身は断片ではなく、僕でありたいです。