100日チャレンジ10日目です。
(「100日チャレンジ」CIOにゲーミフィケーションを - usabo's diary)
10日目は私が大切だと思っていることを書きます。
CIOハンドブックにはのっていません。
データメンテナー
ハーバード・ビジネス・レビューがデータサイエンティストを21世紀で最もセクシーな職業と呼びましたが、その影で同じくらい重要なのがデータメンテナー(造語)です。その名の通り、データをメンテナンスする役割を担います。
データの精度と鮮度を保つ必要性
データメンテナンスにはこだわりが必要です。使い方に合わせてデータ属性の定義を行い、定義に合わせたデータ品質を満たす仕組みが必要です。システムの入力チェックだけでも制御しきれませんし、ユーザの入力ルールだけでも足りません。両方必要ですし、ユーザの入力を保管するべくデータをチェックしたり、後追いで一括でメンテナンスを行う必要もあります。データやシステムのオーナーにかわり、どういうデータの状態であるべきかを詳細まで理解して状態を保つ責任を持つ人が必要なのです。
WBSによる進捗管理の例
プロジェクト管理に使われるWBS(Work Breakdown Structure)を例にとります。WBSによる進捗管理は、計画と実績の精度が損なわれると成り立ちません。不完全な状況で計画を立てる必要がありますし、開始後も日々状況は変わっていきます。そんな中、タスクが漏れなく入っていて見積もり工数、担当者、予定日を最新の状態に保つことは簡単ではありません。
実績についても同様です。開始終了の実績日付を漏れなく入れることは当たり前のようですがタイムリーには入らなかったり担当者の記入忘れもゼロではありません。実績工数(AC)はEVM管理の程度によっては入れないことも多いですし、実績時間は担当者の報告ベースなので入力だけでは精度の保証は難しいです(この問題はこれ以上はここでは触れません)。実際の担当者は計画時点と異なることもありますし、進捗率(パーセンテージ)も入力ルールを決めないとばらついたり、決めても決めた通りに入りません。
限定された期間に限定されたメンバーで取り組むプロジェクトの管理表ですらこの状態なのですから、膨大な企業や社会のデータを扱うにはデータメンテナーの役割は大きいでしょう。
データメンテナンスというゲーム
データメンテナーのゴールはあるべきデータの状態を保つことです。そのためにはデータに関わる人達が、あるべきデータの状態を保てるようゲームデザインをするのがよいと思います。次世代IT部門に必要なのは、データメンテナーという役割であり、必要なスキルはゲーミフィケーションによるゲームデザインなのだと思うのです。
参考:
WBSタスクコンプリートゲーム - usabo's diary
テスト障害管理表メンテナンスゲーム - usabo's diary